ミツバチの種類:日本と世界のミツバチについて

ミツバチの種類:日本と世界のミツバチについて

ミツバチは日本だけに生息するのではなく、世界各国に分布しています。そして、その生息する国によって、ミツバチの種類も変わってきます。

では、日本と世界のミツバチにはどのような特徴があり、そしてどのような違いがあるのか。代表的なミツバチの種類についてご紹介していきます。

日本のミツバチ

在来種である強いニホンミツバチ

日本には、在来種であるニホンミツバチという種類のミツバチがいます。

ニホンミツバチの特徴として知られているのが、その性格のおとなしさです。ミツバチは基本的に攻撃性が低いことが知られていますが、その中でもニホンミツバチは特に優しい性格をしています。

しかし、その優しい性格とは逆に、寒さやダニなどの害虫に対して強いという特性を持っています。また、ミツバチの最大の天敵であるオオスズメバチに対しても、ニホンスズメバチは対抗策を講じるのも特徴です。これはセイヨウミツバチが持ち得ない強さです。

野生に生息することが多い

養蜂などで人工的に飼育されているミツバチは、その多くがセイヨウミツバチです。そのため、ニホンミツバチを見かけるとすれば、野生のものが多いでしょう。

ニホンミツバチが生息している場所としては、自然の多いところや、木の中にできた空洞である「うろ」が多いです。しかし、私たちの近くにも生息しており、民家に巣を作ることも多くあります。ですので、ミツバチが自宅に巣を作ったという場合、それがニホンミツバチだったというケースも起こり得るでしょう。

イタリアン

気候環境に適応しやすい

セイヨウミツバチの一種であり、その中でも有名な種類であるのが、イタリアンです。名称の通り、イタリアの各地が原産国となっています。

イタリアンの特徴は、どのような気候の環境にも適応できるという点が挙げられます。そのため、寒い地域から暖かい地域まで、生息することができるのです。この性質から、イタリアだけではなく、世界各国多くに分布するようになっています。

養蜂でよく使用されている

養蜂に用いられているセイヨウミツバチの中でも、一番よく使用されているのがイタリアンの種類です。

養蜂で使用されやすい理由としては、先述した気候などへの環境適応性の高さ、そして性格が穏やかなため攻撃をしてきにくいこと、蜜を集める能力が高いことなどが挙げられます。私たち日本人においても、かなり身近な種類のミツバチだと言えるでしょう。

カーニオラン

高所での養蜂に適している

カーニオランは、遥か昔にイタリアンから枝分かれで進化した種類のミツバチです。同様に環境への適応力は強いですが、その中でも低い気温の場所での適応力に優れています。

さらに遠方へ飛ぶ能力も高いため、気温が低く蜜源が密集していない高い山などの場所で、養蜂用のミツバチとして用いられることがあります。ハチミツを集める能力はやや劣りますが、その環境適応能力の高さゆえに、地域によっては重宝されている種類です。

分蜂をしやすい性質

寒い地域に適応できるカーニオランであるものの、やはり生物である以上は寒さへの対策を取ることとなります。その一つが、短期間での分蜂です。

気温の低い過酷な環境で種を残しておくためには、できるだけ多くの子孫を残す必要があります。そのため、カーニオランは他のミツバチに比べて、早い頻度で分蜂を繰り返します。この性質は、カーニオラン種が寒い環境で生き残るための知恵だと言えるでしょう。

コーカシアン

病気への耐性が高い

コーカシアンはコーカサス地方が原産のミツバチです。このミツバチの大きな特徴として、病気への耐性が高い点が挙げられます。

特に「ふそ病」という、幼虫が溶けてしまう病気に対する耐性が高いです。この病気は蜂の巣全体が死滅してしまう可能性があるほど恐ろしい病気であるため、病気への耐性はコーカシアンの一番の強みです。さらに、ダニなどにも耐性を示すため、小さな外敵に強い種類だと言えます。

プロポリスという成分を多く集める

コーカサスの特徴として、もう一点はずせないのが、プロポリスという成分を多く集めてくれるという点です。

プロポリスは、蜂の巣にできる隙間を埋める役割をする成分です。しかし、そのプロポリスの中には特別な栄養分が多く含まれているため、化粧品などの成分として使用されるほか、人が経口摂取する健康食品としても人気が高くなっています。

まとめ

ミツバチの種類は亜種を含めると、世界に9つもの種類が生息しています。そのため、今回ご紹介しきれなかった魅力的なミツバチも居るのです。

ミツバチは世界には多くの種類がおり、そしてその種類ごとに強さや弱さ、特性などもバラバラです。興味を持たれた方は、もっと深く、ミツバチの種類の特徴について探求すると面白いでしょう。