ミツバチの性別:女が強い社会

ミツバチの性別:女が強い社会

人間の社会は、男女平等、ジェンダーフリーが基準となっていますが、ミツバチの世界はちょっと違います。なぜならば、ものすごく女性が強い世界だからです。

興味深い、ミツバチの性別と社会性の関係について、様々な視点から見ていきましょう。

ミツバチの世界では女性が強い!

トップに君臨するのは女性

ミツバチの巣の中に形成される社会。その社会のトップに君臨しているのは、王様ではなく女王様である女王蜂です。そう、ミツバチは女性によって統治されているのです。

女王蜂は巣の中で一匹しかおらず、その他のミツバチはもちろん、オスのミツバチでも代理でその役割を努めることはできません。ですので、ミツバチのコロニーの中では、かなり貴重で重大な存在となります。

人間の社会では、女王様に統治されている国もありますが、多くの国は男性がトップになっているケースが多いです。それと比較すると、ミツバチの世界での女性の地位の高さは著しいものであると見ることができます。

働き蜂の全てが女性

ミツバチの社会は、女王蜂という女性のトップによって統治されているという事実よりも驚くべき事柄があります。それは、花の蜜などを集めたり巣を作ったりしている働き蜂もまた、全てが女性であるという点です。

偏見の入った価値観で見ていると、働くことは男性であるというイメージを持ってしまいがちです。しかし、外を飛び回っているミツバチは全て女性です。女性の蜂が、ミツバチの社会のほとんどを支えているのです。

つまり、トップが女性ならばその下に使える働き蜂も女性という、完全な女性社会を構成しています。ここまでくると、ミツバチの社会での女性の権威の占める割合は、計り知れないものだと言えるでしょう。

オスのミツバチはぐうたらしているの?

オスバチは基本的には働かない

先述した通り、働き蜂は全てが女性のメスバチです。このような話を聞くと、ミツバチの社会にはオスバチは存在していないのか?と錯覚してしまいそうになりますよね。しかし、オスバチもしっかりと存在しています。

ですが、オスバチは働き蜂のように基本的には全く働きません。巣の中でただ食べ物を摂取してうろちょろとしているだけです。ちょっと悪い表現をすると、女性に頼って生きる、いわゆるヒモのような状態と言い換えられます。

このようなオスの行動を見ていると、あたかもぐうたらしているだけのような存在のように思えてしまいます。

生殖活動を行うため、決してぐうたらしているわけではない

オスのミツバチは、女性に頼るだけで何の役割も果たさずにぐうたらと生きていくだけの存在なのでしょうか。いいえ、そうではありません。オスバチには、生殖活動を行うという重大な使命が課せられています。

発情期になるまでのオスは仕事をしませんが、発情期になれば、女王蜂とオスバチが空中に飛び出します。そして空中で交尾をします。

交尾を終えたオスバチは、生殖器を女王蜂の中に残し、そのまま命を落とします。オスバチは仕事をしないように見えますが、命がけで次の生命を残すという重大な仕事を全うしてくれているのです。

役割分担が明確なミツバチの世界

女王蜂、オスバチ、働き蜂という明確な役割区分

ミツバチの世界は、役割が明確に分けられています。それは、非常に合理的であると言わざるを得ません。その明確な役割分担として、先述した内容にもありますが、女王蜂とオスバチと働き蜂の三つの区分があります。

女王蜂は産卵だけを行う役割を持ち、オスバチは女王蜂に精子を与える役割、そして働き蜂は蜂の社会を維持するために必要な仕事をするという役割を持っています。

もしも女王蜂が働いてしまうと効率の良い産卵ができませんし、当然メスである働き蜂は女王蜂に精子を提供できません。このように、合理的な役割分担が効率的な社会を作ることで、安定した繁殖を行えていると考えられます。

働き蜂の仕事は熟練度によって変わる

産卵や生殖行為以外の仕事を行っている働き蜂にも、その仕事に役割分担がなされています。そして、その分担は、仕事の熟練度によって変わってきます。

働き蜂が成虫になったばかりの頃は、比較的簡単な仕事である蜂の巣の掃除から始まり、幼虫や女王蜂の世話などの仕事を行います。そして、成長をすれば、外に出て花の蜜を集めたり花粉を収集したりといった仕事を任されるようになるのです。

また、何らかの事情で掃除係や幼虫の世話係が居なくなれば、成長した働き蜂がそのポジションのフォローに入ることもあるため、上手な連携プレーがなされているとも見ることができます。

まとめ

ミツバチの社会は女性が中心となり、そしてとても効率的なシステムによって動いています。

女性のミツバチの強さ、そしてその合理性が、ミツバチが今まで子孫を残して来られた強さだと言えるかもしれません。